低質ハックベリー材(家具用木材)の調色
大野善隆史。二巨造公許
材料科学部★
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要旨
汚染ハックベリー材を有効利用するために,汎川漂白剤や市販漂白剤せ用いた漂白処珊二上る汚染除去効果や色戻りを検討しノた.
さらに,漂自処理後の淡色着色塗装提案として塗装見木板を作製しその塗装効果や変退色を検討した.その結果,茶褐色汚染の除 ム効果は認められなかったが,黒色汚染の除去には酸素系(過酸化水素)や,塩素系(次亜塩素酸ナトリウム,二塩素化イソシアヌー ル酸ナトリウム)などの酸化漂白処理が有効であることがわかった.また,漂白処理後に淡色の着色塗装を子J 二うことにより,残存汚
染の隠蔽及び色戻りの抑制が図れた,
1.はじめに
ハックベリー材(学名:Ccl [i s O(、(二1der l t al l s )は,北米広葉樹 の一材稚で,近年R田地区で生産されるテーブルやイスなどの
家具用材として多用されるようになった.しかし,そ♂)一鮎二 黒色や茶褐色に変色汚染した材が含まれており,生産段階でこ の汚染材が混ざった製品は,汚染が判別できなくなる去での濃 色な着色塗装が行われている.最近の顧客ニーズは,素材色ま
たは明るい着色の塗装製品が好去れる傾向にある.そこで,生 産現場からは汚染材を有効利用し,できるだけ明るい着色塗装 製品にすることが求められている.
このハックベリー材の汚煤再,黒色汚粂と茶褐色汚染との2 稚類に大別でき,道管に沿って黒色汚染が線1二に出現する場合 が多く,その中ノL、に茶褐色汚染が合志れている場合もあり,汚 染の進行状況によって,部分茶褐色汚染,霜降り様黒色汚染, 全面黒色汚染などの様々な状態(を∵i g.1)を呈している.ニの汚染 は組織内部に深く侵入していることなどから,木材変色蔚に上 る生物汚染の菌体色素の蓄積=なせが原因と推定されるが,前 程などは特定出来ていない.
本研究では,二の汚染を最も低コストで除去する〟法が木材
漂仁」処理と考え,汎用漂白剤や市販漂白剤を用いた漂白処矧二 上る汚染除去効果や色戻り(耐光性)を検討した.さらに,漂白 処理後の淡色着色塗装提案として塗装見木板を作製し,その塗
装効果や変退色(耐光件)を検討ぃて二.
2.実験方法 2.1漂白試験
2.1,1供試材料
汚染ハック/ヾリーー材(部分茶褐色汚染材\霜降乃様紫色汚毅軒 全面黒色汚染材の3種90mm(1.)× 150mm(Ⅵr )× 25汀】m(f i ))(Fl g.1) を研磨紙(#240)で素地調整した≠ )のを討漱⊥ちとした.
212 漂白処理
試験片に汎用漂白剤で実験室的に調整し上漂白液や,市販漂 F二」剤瑚票自液を刷毛で塗布し80∼川O日赤’ ).し漂白処理Lた.漂白 処矧二用いた漂鉦接げ)組乱 調合,PI J を′ l 、at 〕i pl に示す.試験 片の汚菓部分に/丸、て漂白前と後の材色を分化測色計(ミノル タ1≠薫勅封で測色しノ,明度差(ユ!1により汚煤色の除去効果を
検討Lた.
2Lて3 耐光性書式験
漂白姓坪Lた試験≠せ南面15度の窓際ご2り0卜牢S上]31「1∼ 9f =うr け)1週間程内暴露し′ た.暴露前と後の材セせ分光測色計
で渕色しノ,明度差(△ l 」‘ )により負ぶ竹(耐光十畳を検討し/仁.
2.2 淡着色塗装書式験
22.1供書式材
漂白試験において黒色汚煤朝∵牒し汚染色げ)除去効果が良好 であった市販漂f 剤2種(′ l 、とl 【〕l (−1酸素系過酸化水素試料N()10,
Fi g.1ハックベリ}材
11㌻l 【)1ビl 漂[」液の組成。調合・オ1
試料No 漂白液 組成および調合 PH
】 酸化型酸素系過酸化水素 35qも過酸化水素水50gと1?も水酸化ナトリウム水溶液50gとの混合液を塗布 8.6
// 言i 辞斗Nol の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 9.2
// 試料No2の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 9.4
4 酸化型塩素系亜塩素酸什ノ% 20ゃも亜塩素酸ナト川ム50gと3%酢酸50gとの混合液を塗布 4.4
// 試料No4の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 4.4
田 酸化型塩素系次亜塩素酸ナトリウム ①1㌘b次亜塩素酸冊ウムを塗布し,直後に箸20%亜塩素酸州ウムを塗布 葦13.9芝11.6
ァ′ 試料No6の水溶液に等量の水で希釈したものを順に塗布 1ニー3・4芝1−・6
// 試利用08の水溶液に等量の水で希釈したものを順に塗布 ェ6.2老11.3
主剤10部と助剤10部を混合した液を塗布(N社)
// 試料Nol Oの混合液に等量の水で希釈したものを塗布 9.5
主剤10部+助剤10部を混合した液を塗布(○社)
/J 試料No12の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 9.9
14 酸化型塩素系亜塩素酸什l 」ウム 主剤10部+助剤10部を混合した液を塗布(○社)
/J 試料No14の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 7.2
// 薬剤5部+水4部を混合した液を塗布(H社) 10、6
// 試料No17の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 10.4
18 酸化型塩素系二塩素化イソシアヌーj 掛トリウム 〔‡執剤を1鍋水溶液に調整し塗布した,直後信憑液を塗布(N社) 任6.1②10.4
19 // 試料No18の水溶液に等量の水で希釈したものを順に塗布 ヨ運.1②10.3
20 還元型亜硫酸水素ナトリウム 158も亜硫酸水素ナトリウムを塗布 4,0
/′ 試料No20の混合液に等量の水で希釈したものを塗布 4.1
22 未漂白
Tat )1p2 塗装仕上げ
仕上げ名 塗装工程 色名 使用塗料
生仕上げ(透明) 下塗り→上塗り:7分艶消 クリヤー ポリウレタン樹脂塗料
白木仕上げ(透明) 下塗り→上塗り:7分艶消 クリヤー //
ナチュラル着色仕上げ・淡色 冒止め着色・淡色−→下塗り一→上塗り:7分艶消 オーク //
ナチュラル着色仕上げ・濃色 日止め着色・濃色→下塗り→上塗り:7分艶消 オーク,枯れ色,肌色 //
うづくりナチュラル着色仕上げ・濃色 うづくり→目止め着色一濃色→下塗り→上塗り:7分艶消 オーク //
パステル仕上げ 目止め着色→下塗り一→上塗リー着色:7分艶消 枯れ色,肌色,銀鼠色 /J
オイルフィニッシュ仕上げ(透明) 下塗り一→中塗り・→上塗リ ケノヤ¶ 油性自然塗料
オイルフィニッシュ着色仕上げ・淡色 下塗小淡色→中塗り・淡色−−上塗り パインオーク.ブラウン //
オイルフィニッシュ着色仕上げ・濃色 下塗い濃色→中塗り・濃色→上塗り パインオーク,ブラウン //
塩素系 二塩素化イソシアヌール酸ナトリウム試料\018)の処理
条件で,黒色汚染ハックベリー材(90mm(1J )×】50mm(W)× 25mm(H))を漂白処理したものを試験片とした.
2.2.2 淡着色塗装処理
供試塗料ほ市販のNl ′ ポリウレタン樹脂塗糾 合成樹脂R止♂) 着色剤,油性月然塗料とした.r I ’ abl u2に示す塗装什ヒげにより 透明塗装や淡着色塗装の見本板を作製し,材色を分光測色計で
測色するとともに目視によりその塗装効果を検討した.
2.1.3 耐光性試験
淡着色塗装見本板を南面り5度の窓際で2005年2月8日∼2 月141=乃1週間風力暴露した∴暴露前と後の材色を分光測色計 で測色し,色差(△ ズEaヒ〕)に上り変退色(耐光卜型を検討した.
3.結果及び考察
3【1漂白試験
日視段階で明らかに黒色汚染の除去効果は認められたが,茶
吏畑適さノノごい竜三装方法/し二号えろ. 3.22 淡着色塗装見本板の耐光性
巨嗜.1に前句披露前後ゾ池ノ妄≡1しÅ巨二*最))を′ 斥十.ト視∴i 二る評 価と測色に上ろ色ぷと:王ぼ一致L,透明壱装肌隼灘仕卜.こ∴ オ イ′ レフイニッシュ仕卜げ(クリヤーーJ やt 掛、青色塗装し廿ノト仁ユ
観色汚壌に/)いごほごモ[んど認められな′ い/J た,以†1.管胞i ンり
染の除去効果が認められた全面汚染材の試験結果′ をむとに述べ
る.
3.1.1漂白による黒色汚染の除去効果
ド肱2に漂白処理前後〃)明度差(△ 1メ)を示す.漂し′ j 処雌に上 り汚染色素やリグニンが分解し、私流酸水素ナトリウムNo20を 除くすべての試紺こおいて明度が上が/〕た.汚染除去効果は 桝度芹が大きいほと、’ 効果は高く,目視∴上る紺赫と測色に⊥る
明度差とほぼ 一致し明度差10以ヒさ土氏姓 川以†こパ以卜さ去「れ
針以下は不叶と判断した.酸化漂F凋」の過酸化水素∴次琳腹案酸 ナトリウム、二塩素化イソシアヌール酸ナトリウムけ除ム効果 が高く,鮭塩素酸ナトリウムは少しノ劣畑.還元漂れ済障)亜硫酸 水素ナトリウム上土ごまとんど効果が軌、こと′ が分か/二〕た.過酸化 水素Nol ,2,3〔7〕ょうに,濃度を低減させたも、州i 効果も低減しノ た.酸素系過酸化水素は黒色汚染の除去ヒと≠〕に材色全体が山 色化したが,塩素系は若干黄色化し特に次租塩素酸ナトリウム,
塩素化イソシアヌーール酸ナトリウムのものに健全材の材色に 近似したものがあ/〕た.塩素系〝)黄色化け材し恒)リグニンが残 留塩素と反応し,鉱色の塩化リグニンを形成t ノたもCがと考えら れる.全体的には汎用瑚票白薬剤を調整した≠)のたり市販漂白 剤の方が除去効果は「如レった.
3.1.2 漂白処理材の耐光性
FLg∴うに屋内暴露前後の明度差(△ 1メ)をノ戸十.目視では屋 内暴露後のすべての試料に変退色が認められた.未漂白と過酸 化水素Nol ,2,3と亜硫酸水素ナトリウムN()20,21とを†猟′ 、たす べてげ)試料において明度が卜がる色戻りが起こった.二れらの 色戻りは漂白処脚キの明度差が大きい車〕のほど,また酸素系よ り塩素系〃)方が大きいことが分か/〕た.ニれは 光と酸素に上 り光化学反応を起こし,低分r 化Lたリグニンなどに新しくカ ルポニル基の発色団が発生したものと考えられる.亜硫酸水素 ナトリウムは還元作用が進みで明度が上がったと考えられるこ とから,この還元作用を利用し,漂白処理後に亜硫酸水素ナト
リウムなどの還元剤を塗布することにより明度び)低卜を抑える
ことが期待できる.
3▲ 2 淡着色塗装試験
3.2.1淡着色塗装の効果
ナチュラル着色什i 二げやう/うくりナチュラル着色仕上げは淡
色の着色塗装であるにもかかわらず,漂白処理後の残宿/j 染を
隠蔽できたことが目視で確認できた.これらより濃色なパステ ル仕卜げ,オイルフィニッシュ着色仕上げで緑川様に隠蔽でき
たことが目視で確認できた.圭た,漂白処理の段階で酸素系は 白色化,塩素系は黄色化し健全材に近似していたことは,着色 塗装後にも影響し同様げ)傾向が認められた.ニれらの着色塗装 は漂白処理後の塗装として有効な塗装方法と考えられるが,透 明塗装の生地仕上げ,オイルフィニッシュ什上げ(クリヤー爪) 白木仕l 二げなどでは残存汚染が目視で容易に認められたためあ
︵う云︶瑚哩慧
5
0
−5
−10
12 3 4 5 6 7 8 9101112131415161718192021
試料No,
口酸化デモ互酸素系 鮨轍化隼塩素系
闇還元烈晰甜組成再伸
ト1i g.2 漂し」処理前後の明度差(ÅⅠ.*)
︵耕﹂勺︶湖健謬
∩︶ 5 0 −5 −10
12 3 4 5 6 7 8 910111213141516171819202122
試料No
□酸化墾酸素系 鞋酸化哩塩素系
甚還元型療村政水素=リ」払 慧末漂有
F土g∴う 屋内暴露前後の明度差(△1ノ*)
︵
u
︶
久
U
︵
q
吋品﹄ご棚郵
−
∴∴・− ̄・・∴∴・・・一
試料
r Tl g.′ t 屋内暴露前後〝)色羞(ÅE*ab)
Lたが、光による色戻りや変退色は塩素系上り′ 卜さい. こぅ〕塩素系の漂白処理後の材色は若干二黄色化し健全材の材色
に近似した車)のもあるが,光による色戻りや変退色は酸
素系上り大きい.
(耳 漂白処理後の残存汚染は透明塗装では隠蔽できなかった が,淡着色塗装では隠蔽できた.
⑤ 漂白処理材は光に上り色戻りを起こすが、淡黄色塗装を
行うことにより抑制できた.
参考文献
1)鈴木・徳田・作里編:木質資源材料福音杜(1999),7376 2)高橋正男:木材⊥業罰(12)(1974),69,1R
謝辞
本研究の遂行にあたり,有益なご助言を頂き圭した口東化学 研究所の高橋正男氏に深く感謝の意を表Lます.
ラル仕上げなどは色差3以上で口こ′ 二/⊃レベルげ〕変退色が認めら
れた.二れらより濃色の着色塗装のパステル仕トニげやオイルフ ィニッシュ着色仕上げは色差3以下でわずかなレベルの変退色 が認められた.酸素系の変退色は未漂白と比較し同程度またH 小さく,享三に明度の低ドであ/)た.塩素系の変退色は淡着色塗 装ではほぼ同程度,透明塗装では人きくなり明度の低下より彩 度の低下が大きいことが分かった
4】まとめ
漂白処矧こよる汚染ハックベリー材の汚壌除去と淡着色塗 装♂)効果に/)いて検討し,以下の結果が得られた.
① 漂白処理試験では,茶褐色汚染の除去効果は認められな かったが,黒色汚染の除去には酸素系(過酸化水素)や 塩素系(次亜塩素酸ナトリウム,二塩素化イソシアヌー ル酸ナトリウム)などの酸化漂白処理が有効であった. 認 酸素系の漂白処理後の材色は白色化し淡着色塗装に影響